Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
また、片っぱしからつぶしていては商売にならない。だから、今夜のようなことは、そうたびたびあることではない。あるいは二度とないことかも知れない。万々一にも、諸君の中に、鶏をご馳走したために私をいい小父さんだと思っている人があるとすると、その人はきっと失望するにちがいない。それはあらかじめ断っておく。なぜ私がこんな変なことをわざわざ言うかというと、それは白鳥芦花に入る会が、鶏肉胃袋に入る会になってしまっては、先生に対して申しわけないと思うからだ。もっとも、鶏を飼うのは結局は人間のためなんだから、ほんとうに人間の役に立つと思えば、いくら可愛ゆくとも、またまるで商売にはならなくとも、いつでもそれを犠牲にする肚は私にもある。今夜もそのつもりで幾羽か犠牲にしたわけだ。今頃は多分諸君の腹の中で、諸君の朝倉先生に対する真実と溶けあって、鶏もいい気持になっていることだろう。」
俊亮はそう言って哄笑した。俊亮の笑声につれて、みんなも笑った。しかし、その笑声には、変に固いところがあり、何かにつきあたったように、ぴたりととまった。大きい生徒たちの中には、頭をかいているものもあった。