Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
白鳥会員として自分はいったいこれまで何をして来たのだ。ご本尊の朝倉先生のお見送りをするというのに、このざまはいったいどうしたことなのだ。
彼はそう考えて、自分が今何のために待合室のベンチに腰をおろしているのかさえ忘れていた。
すると、うしろから軽く彼の肩をたたいたものがあった。はっとしてふりかえると、曾根少佐が、その大きな口に真白な前歯を見せて立っていた。
「きょうはどうしても君にたずねて置かなくちゃならんことがある。しかし、こんなところでは工合がわるい。もう一度学校に引きかえしてもらうか、それとも、わしの家に来てもらうか、どちらでもいいんだが……」
「学校の方がいいんです。」
次郎は少佐がまだ言葉をきらないうちに答えた。
「そうか、しかし、学校だと、今からじゃかえって目立つぞ。」
「目立ってはわるいんですか。」
「わしはかまわんが、君が……」
「僕もかまわんです。」
次郎は何かやけくそなような気持になって答えた。
「そうか、じゃあ、学校に行こう。」
二人は待合室を出た。一丁ほど、どちらからも口をきかないで歩いていたが、少佐はすぐ近くの街角を指さしながら、
「わしの家は、あれからはいって五分ほどのところだがね。