Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
」
と、田沼先生は、そのゆたかな頬をいくらか赤らめて苦笑したが、そのあと、話題をかえるつもりか、急に思い出したように言った。
「それはそうと、荒田さんは、このごろは禅のほうはいかがです。相変わらずおやりになっていらっしゃいますか。」
「ふっふっふっ。」
と、荒田老は、あざけるように鼻で笑ったが、
「禅は私の生活ですからな。毎日ですよ。」
「毎日だと、おかよいになるのが大変でしょう。このごろは、どちらのお寺で?」
「すわるのに寺はいりませんな。」
「すると、お宅で?」
「うちでもやりますし、どこででもやります。こうして飯を食ったり話したりしている間も、私は禅をやっているんです。」
「なるほど。」
「どうです。塾生たちにも、少しやらしてみては?」
荒田老はおしつけるように言った。
「坐禅とまではむろん行きませんが、静坐程度のことなら、ここでもやっているんです。起床後とか、就寝前とかに、ほんの二十分か、せいぜい三十分程度ですが。」
「それでもやらんよりはいい。」
と、荒田老は、これまでのぶっきらぼうな調子から、急に気のりのした調子になり、
「しかし、指導をうまくやらんと、時間のむだ使いになりますな。