Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

七 最初の日曜日

板木だって、打ちかた次第では芸術になりますわ。あたし、次郎さんの板木の音をきいていると、いつもそう思いますのよ。先生には叱られるかもしれないけれど、今朝の打ちかただって、頭かぶせにわるいとばかりいえないんじゃないかしら。」

次郎は、それで安心する気にはむろんなれなかった。しかし、夫人がそんなことを言って自分をなぐさめるために、わざわざ自分の室にやって来たのだと思うと、何か心のあたたまる思いがした。そして、その日のかれの日記の中に、そのことが、今朝からのできごととともに、大事に書きこまれていたことは、いうまでもない。

七 最初の日曜日

最初の日曜が来た。開塾の日がちょうど月曜だったので、まる一週間になる。

この一週間は、塾生たちにとっては、まったく奇妙な感じのする一週間だった。朝倉先生夫妻も、次郎も、生活の細部の運営については、自分たちのほうからは、何ひとつ指図をせず、また、塾生たちから何かたずねられても、「ご随意に」とか、「適当に考えてやってくれたまえ」とか、「みんなでよく相談してみるんだな」とかいったような返事をするだけだったので、とかくかれらはとまどいした。