Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
「そりゃあ、二時間や三時間のわずかな時間で、ここの生活全体についての案をまとめあげるわけには行かないだろう。しかし、部分的なことで、こんなことをぜひやってみたいというような希望なら、何か一つや二つはまとまりそうなものだね。」
「それがなかなかそうはいかないんです。」
と、飯島は、もうすっかりなれなれしい調子になり、
「何しろ、責任をもって話をまとめる中心がないんでしょう。ですから、ただめいめいにわいわいしゃべるだけなんです。中には、手紙を書いたり、雑誌をよんだりして、話に加わらないものもありますし……」
「なるほどね。」
と、朝倉先生は、飯島の言うことを肯定するというよりは、むしろさえぎるように言って、眼をそらした。そしてちょっと思案したあと、
「ほかの室はどうだね」
返事がない。塾生たちの大多数は、ただにやにや笑っているだけである。次郎は、第一室の一団に眼をやったが、気のせいか、どの顔も変に緊張しているように思えた。
「どの室も、やはり同じかな。」
と、朝倉先生は微笑しながら、
「すると、わずか六人の共同生活でも、だれか中心になる人がいないと、うまく行かないという結論になるわけだね。