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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

」

みんなは、しずかに眼を見開いた。窓のすりガラスはもう十分明るくなっており、ほのかな紅をさえとかしていた。

だれの顔にも、何かしら、ゆうべとはちがった感情が流れており、互礼をすまして広間を出て行く時のみんなの足音も、これまでになく静粛だった。

七時の朝食までには、まだ二十分ほどの時間があり、その間に食事当番は食卓の準備をやり、そのほかのものは、自由に新聞に目をとおしたり、私用をたしたりするのだった。次郎は、いつもなら、こんな時間にも、できるだけ塾生たちに接触して、かれらの感想をきいたりするのだったが、今日は、広間を出るとすぐ、塾長室に行き、朝倉先生に向かって、なじるように言った。

「先生は、ぼくのやりそこないを、どうしてあからさまに話してくださらなかったんですか。」

「板木のことか。あれは、私が直接見ていたわけではなかったのだからね。」

「しかし、ぼくから先生にそう申しておいたんじゃありませんか。」

「うむ。それはきいた。しかし、私が何もかも知っていたことにすると、君の名前だけでなく、大河の名前も出さなければならなくなるんでね。」

「出してくだすってもいいじゃありませんか。