Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
」
「ええ、ええ。それが必要でしたら。」
と、夫人も微笑しながら、
「あたくしどもの苦労なんて、苦労のうちにははいりませんわ。どうせ先生のおあとをついてまわるだけですもの。ほほほ。」
夫人は、しかし、そのあとすぐしんみりして、
「でも、この塾はどうなるんでございましょう。あとにどなたか……」
「それは、あなた方と運命をともにするよりほかありませんね。」
田沼先生は、きっぱりこたえた。すると、小川先生がどもるような声で、
「理事長、すると、あなたはもう、塾の閉鎖まで決心されているんですか。」
「ええ、最悪の場合は、こちらが決心しなくとも、自然そうなるでしょうし……」
「しかし、それは避けられないことではないでしょう。」
「むろん、避けられるだけは避けます。無用な摩擦をおこして自分から最悪の事態に落ちこむようなことはしないつもりです。しかし大義名分をみだすようなことにまで、お調子をあわせるわけには行きますまい。」
「軍では、もう、そういうことについて、何かいいだしているんですか。」
「正面きって何もいいだしているわけではありません。しかし、叛乱とか叛軍とかいう言葉は、今のところ絶対禁物のようです。