Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
これ最も大切の事なり。至って草多く手重のところを先にする時は、大いに手間取れ、その間に草少なき畑も、みな一面草になりて、いづれも手おくれになるものなれば、草多く手重き畑は、五畝や八畝は荒すともままよと覚悟して、しばらく捨ておき、草少なく手軽なるところより片付くべし。しかせずして手重きところにかかり、時日を費す時は、僅かの畝歩のために、総体の田畑順々手入れおくれて、大なる損となるなり。国家を興復するもまたこの理なり。知らずんばあるべからず。また山林を開拓するに、大なる木の根はそのままさしおきて、まわりを切り開くべし。而して二三年を経れば、木の根おのづから朽ちて、力を入れずして取るるなり。これを開拓の時、一時に掘り取らんとする時は労して功少なし。百事その如し。村里を興復せんとすれば必ず反抗する者あり。これを処するまたこの理なり。決して拘るべからず、障るべからず。度外に置きてわが勤めを励むべし。」
ぼそぼそと読み出した大河無門の声は、おわりに近づくにつれて、次第に高くなり、澄んで来た。そして最後の一句を、思い切り張った調子で読みおわると、また、ぼそぼそとした声で言った。