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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

かんじんなのは、ここの生活の空気をこわさないことだよ。できればお客さんをこちらの空気にまきこんでしまいたいのだが、そこまではちょっとむずかしいな。とにかく、そこいらがうまくいきさえすれば、あとは、どうでもいいんだ。」

「大変ね。」

と、その時、火鉢のはたでみんなのためにコーヒーをいれていた朝倉夫人が言った。

「でも、お二人でお考えくだされば、きっといいプログラムがおできになりますわ。」

それから、何か思い入ったように、

「あたし、その日は、お役にたつことでしたら、どんなことでもいたしたいと思っていますの。」

次郎はそのしみじみとした調子が変に気になりながら、コーヒーをすすった。

大河と次郎とは、それから間もなく本館にかえり、さっそくプログラムをねりはじめた。次郎が大河と二人きりでながい時間話すのは、しばらくぶりだった。かれの気持ちは変に落ちつかなかった。威圧されるような気持ちと、よりかかりたいような気持ちとがたえず交錯していたのである。しかし、一方では、かれのこのごろの暗い混迷した気持ちが、新しい問題を投げかけられたせいもあって、少しずつうすらいでいくかのようであった。