Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

笑っているうちに、円座らしい円座がやっとできあがった。

そんなさわぎの中で、荒田老はやはり眉一つ動かさないですわっており、鈴田はあからさまな冷笑をうかべて、みんなを見まもっていた。

座がおちつくのを待って、朝倉先生がおもむろに話し出した。

「けさ式場で、ここの共同生活の根本になることだけはだいたい話しておいたが、これまで諸君がうけて来た団体訓練とはかなりゆきかたがちがっているのではないかと思うし、自然腑におちなかった点も多かろうと思うので、懇談にはいるまえに、念のため、もう少しくだいて私の気持ちを話しておきたいと思う。」

次郎は荒田老の顔の動きに注意を怠らなかった。黒眼鏡がかすかに動いて、朝倉先生の声のするほうに向きをかえたように思われた。

「私はまず諸君にこの場所を絶海の孤島だと思ってもらいたい。偶然にも諸君は時を同じゅうしてこの孤島に漂流して来た。私もむろん諸君と同様、漂流者の一人である。これまではおたがいに名も顔も知らなかったものばかりであるが、運命は、この孤島の中で、おたがいをいっしょにした。まずそう心得てもらいたい。――

「さて、そう心得ると、おたがいに知らん顔はできないはずである。