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Japanische Klassiker mit Furigana

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ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lesen Sie 死者の書 (ししゃのしょ) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.340 Zeichen · 126 Bildschirme

Aozora Bunko

こう。こう。お出でなされ。藤原南家郎女の御魂。

こんな奥山に、迷うて居るものではない。早く、もとの身に戻れ。こう こう。

お身さまの魂を、今、山たずね尋ねて、尋ねあてたおれたちぞよ。こう こう こう。

九つの杖びとは、心から神になって居る。彼らは、杖を地に置き、鬘を解いた。鬘は此時、唯真白な布に過ぎなかった。其を、長さの限り振り捌いて、一様に塚に向けて振った。

こう こう こう。

こう言う動作をくり返して居る間に、自然な感情の鬱屈と、休息を欲するからだの疲れとが、九体の神の心を、人間に返した。彼らは見る間に、白い布を頭に捲きこんで鬘とし、杖を手にとった旅人として、立っていた。

おい。無言の勤めも此までじゃ。

おお。

八つの声が答えて、彼等は訓練せられた所作のように、忽一度に、草の上に寛ぎ、再杖を横えた。

これで大和も、河内との境じゃで、もう魂ごいの行もすんだ。今時分は、郎女さまのからだは、廬の中で魂をとり返して、ぴちぴちして居られようぞ。

ここは、何処だいの。

知らぬかいよ。大和にとっては大和の国、河内にとっては河内の国の大関。二上の当麻路の関――。

別の長老めいた者が、説明を続いだ。