Japanische Klassiker mit Furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme
十四
踏切を渡ると、鴉が一羽……その飛んだ事ったら――吃驚したほど、頭の上を矢を射るように、目を遮って、低い雲か、山の端か、暗い処へ消えたっけ……早や秋だったねえ。雨気が深く包みはしたが、どの峰も姿が薄い。
もう少し隧道の方へ行くと、あすこに、路の真中に、縦に掛けたちょっとした橋がある。棒杭のように欄干がついて、――あれを横切って、山の方から浜田へ流れて出る小川を見ると、これはまた案外で、瓦色に濁ったのが、どうどうとただ一幅だけれども畝を立てて、橋の底へすれすれに凄じいほど流れている。いつもは俯向いて、底を見るのが、立って、伸上って見送るほど、嵩増して、薄の葉が瀬を造って、もうこれで充満と云うように、川柳が枝を上げて、あぶあぶ遣ってた。」
十四
「この水が、路端の芋大根の畑を隔てた、線路の下を抜ける処は、物凄い渦を巻いて、下田圃へ落ちかかる……線路の上には、ばらばらと人立がして、明い雲の下に、海の方へ後向に、一筆画の墨絵で突立つ。蓑を脱いで手に提げて鍬を支いた百姓だの、小児を負った古女房だの、いかにも水見物をしているらしい。
見ると、堪らなく嬉しくなった。