Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

またこれに浮かれ立って、線路を田圃へ下りたんだが、やがて、稲の葉が黒くなって、田が溝染めに暮れかかると、次第に褪せて行く茜色を、さながら剥ぎたての牛の皮を拡げた上を、爪立って歩行くような厭な心持がするようになっちまった。

ちょうど、田圃道を、八分目ほどで、一本橋がある。それを危っかしく、一度渡って、二度目にまた引返してからだった……もう一跨ぎで、漁師町の裏へ上ろうとする処で、思いがけなく行きついたろうではないか。」

「ふん、どうしてだい。」

と医師は枕を抱く。

小松原は一息ついて、

「どうして?ッて、見たまえ、いつもは、手拭を当てても堰留められそうな、田の切目が、薬研形に崩込んで、二ツ三ツぐるぐると濁水の渦を巻く。ここでは稲が藻屑になって、どうどう流れる。もっとも線路から段々下りに低いからね。山の裾で取囲んだ浜田ありたけの溢れ水は、瀬になって落ちて来るんだ。但し大した幅じゃない、一間には足りないんだけれども、深さは、と云う日になると、何とどうです、崩れ口の畦の処に、漁師の子が三人ばかり、素裸で浸っていたろう。

(どうだ深いか。)

と一ツ当って見ると、己達は裸で泳がい……聞くだけ野暮だ、と突懸り気味に、