Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

何とも言いようがなくって溜息が出た。あの人もほっと言う。話だけは色めかしい中に、何ともお話にならん事は、腹が、ぐうと鳴る、ああ、情ない何事だろう、と気にするほど、ぐうぐういう。

あの人にも聞えたか。

(お腹が空いたでしょうね。)

と来たのにゃ、赫としたよ、但しそういう方も晩飯前です。……

詮方がない、大声を揚げて見ようかとも言い出したが、こりゃ直ぐに差留められた。勿論、お怒鳴んなさいと命令をされたって、こいつばかりは、死んでもあやまる。早い話が、何と云って救を呼びます、助船でもないだろう、人殺し……串戯じゃない。」

医師は聞く中にも笑出した。

言うものも釣込まれたが、

「今こそ苦笑いも出るけれど、……実際だ、腹のぐうぐう鳴った時は、我ながら人間が求める糧は、なぜこう浅間しい物だろうと熟々思った。

ところで……

じゃ、何を便りに塵塚に腰を抜いていたか、と言うに、ここも娑婆だから、その内には、月が出ようと空頼み、あの人も恐らくそうででもあったろう、もっとも何かの拍子に、

(戦争に行っている方の事を思えば、こうやって一晩ぐらい、)

とは言ったがね。まさか夜の明けるまでそうして居られるものとは思うまい。