Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
水木は嬉しそうに、口の中で、そんな事を呟くと、もう一遍、その乾版を翳見てから
「今日はもう少し現像するのがあるんだ、一緒に来てみたまえ……」
そういうと、水木は今出て来たドアーの方へ、洵吉を連れてゆくのだった。
三
その部屋は、小さな暗室になっていて、周囲には真黒い厚ぼったいカーテンが重そうにゆるやかな襞をうって垂下っている中に、小さい赤燈が、ぼんやりと、いまにも絶入りそうな弱い光の輪を描いていた。
「中学時代の友だちっていうものは懐しいね、全く久しぶりだからなあ、あの浅草で逢ったなんて、実に偶然なチャンスだ」
水木は、如何にも懐しそうに、そういって、ドアーをばたんと閉めてから、赤燈のかげで、水を測っては、白い器の中に、流始めた。
洵吉は、その器用に動く、綺麗な指先を見つめながら
「うん、全く久しぶりだった。……君は何故こう写真が好きなんだろう、学校時代も、有名な写真気違いだったな……」
水木は白い器の中に卵色の乾版を入れると、ゆらゆらとゆらし始めていたが、この寺田の言葉を聞くと、流石に一寸苦笑したようだった。でも、直ぐ真面目な顔になって、