Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
しかしその男は、今夕から尋ねようとしている私設天文台の人のようではなかった。この辺の人が町に買物に行って来たように、風呂敷包みを、ぶらんぶらんさせて歩いていた。
大村は、そのまま気にも止めずに向き直って、又、英二と肩をならべたまま、あてもない草の道の散歩を続けていた。
別の世界
「火星に人が、つまり火星人というものがいるでしょうかね」
英二も少しは興味をもって来たのか、それともただバツを合わせるだけのものだったのか、そういって昌作の話の後を促した。
「いるかも知れない。いてもいい条件があるんだからね」
「そうそう、だいぶ前に『火星の運河』っていうのが問題になりましたね」
「うん、しかしあれはまだ正体がハッキリしていないんだよ、だが、植物のあることだけは突止められている。火星には空気もあり、しかもそれは酸素を多く含んでいる。酸素は活溌な元素なのにそれが自然に遊離しているからには植物があるに違いない――というわけさ、その上火星の夏には青々としていた所が、秋になると次第に黄ばんで来る、これは其処に植物が繁茂している証拠だといっていいだろうね」
「ちょっと、ややっこしくなって来ましたね」