Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme
「義歯を入れればよかろう」と梶本が噛んだ物をのみこんで云った、「おれも左右の奥歯は義歯だ、大阪にいい医者がいて、大名などの中にもずいぶん療治に来るよ、半月も滞在すれば済むし、費用もさしたることはない、なんならおれから話しておこう」
「江戸でもそう云われたんだが、どうもこの年になってはね」
「老いこんだことを云うもんじゃない」と渡貫が脇から云った、「これまで公務に縛られて来たんだ、ようやく隠退してこれから余生をたのしむときじゃないか、おれなどはもし女房が死んでくれたら、すぐさま若い側女を置くつもりでいるぞ」
「ああ」又左衛門はゆっくり首を振り、殆んど、聞えないくらいの声で呟いた、「――渡貫がまた」
「渡貫がね」と梶本が又左衛門のあとをつけるように云った。「庄野とはたし合までしてものにした女房を、死んでくれたらなどとよく云えたものだ」
「私とはたし合をしたって」と庄野が訝しげに梶本を見た。
「梶本の思い違いさ」と渡貫が云った、「庄野とはたし合をしたのは新原だ、舟小屋で例のことがあってさ」と彼は庄野に笑いかけた、「それから新原宗兵衛とはたし合になったじゃないか」