Japanische Klassiker mit Furigana
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つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme
若い人たち(二)
娘はいなかった、待てよ」と梶本は唇を噛み、持っている茶碗を下に置きながら、さぐるように又左衛門を見た、「――わかった、新原へいった娘だ」
「ばかなことを云っては困る」
梶本は笑った。憐れみではなく、そんな年になってさえ身構えを崩せない又左衛門の性分に閉口した、といいたげな笑いかたであった。
「侍奉公というやつはつまらないな」と梶本は笑いやんで云った、「私は絵師になってよかった、私ならそんな気兼ねはしない、昔の恋人があって逢いたくなったら、さそいの文でもやって逢うところだ」
「結構だな」と又左衛門が云った、「檜垣屋の娘はまだ健在だよ、孫は二人あるが、幸い後家になって七八年も経つだろう、文をやって逢ったらどうだ」
「さすがに親友だな」と梶本は受けながした、
「ありがたく礼を云うよ」
老女のいよが襖をあけて云った。
「渡貫さまがおみえになりました」
若い人たち(二)
相川忠策が追いつきながら、「おちつけよ渡貫」と呼びかけた。
「そういきり立ったってしようがないじゃないか、それじゃ事がぶち毀しになるよ」
「なにがぶち毀しだ」と渡貫藤五が立停って振向いた、「初めからなにも纒まってはいなかったじゃあないか、それが今日やっとわかった、みんな口先で調子を合わせていただけだ、本気で事に当ろうとしていた