Japanische Klassiker mit Furigana
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つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme
主人と客(二)
ようにな」
主人と客(二)
「云うことは同じだな」と梶本が広縁に立っている渡貫義兵衛に云った、「――尤も、この別墅そのものが、われわれのみんなの若い日を記念しているんだから、どこを見てもなつかしく思うのは当然だろうがね」
「苦い思い出もあるさ」と渡貫が云った、「――あの松林の中には、いまでも胸の痛むような思い出がある」
「湖畔の舟小屋ではないのか」
「あの松林の中だ」と云って渡貫は振返った、「――舟小屋だって」
「庄野とはたし合になったのは、あの舟小屋でのことがきっかけだったろう」
「それは人が違う」
「新原宗兵衛だ」と又左衛門が云った、「庄野とはたし合をしたのは新原だよ」
「しかし新原は」と云いかけて、梶本は笑いながら首を振った、「そうだ、だんだん思いだしてくるが、そう単純じゃなかったな、いや、いまふり返ってみると極めて単純だったが、あのころはみんな血が余っていて、些細なことがみな重大なように思えたし、恋にさえ命を賭ける意気ごみだった」
「それも」と云って渡貫はくすっと笑い声をもらした、「一人の恋人では満足せず、きれいな娘は片っ端から自分のにしたがってな」