Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つばくろ(つばくろ)

燕(つばくろ)

山本 周五郎

Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

こずえは又左衛門の眼をみつめた。涙の溜まっているその眼には、怒りともとれる強い光があった。

「一生にいちどくらい」とこずえは囁くような声で云い、「一生にたったいちどくらい」と云い直した、「しんじつあったことをあったとおりに認めてはいただけないでしょうか」

「年をとってくると、人間の考えかたもいろいろと変るものです」

「あなたはお変りになりません」とこずえは云った、「あなたは昔のままのあなたですわ、人のために助力をし、失敗を償ってやり、御自分が悲しんでいるときでも、それを隠して人を慰めたり励ましたりしていらしった、それも誰にも知れないように、――けれどもあなたは、あなたに負いめを持っている人たちにとって、その負いめがどんなに重いものであるか、知ってはいらっしゃらないでしょう、わたくしたちの場合も、あなたは思いすごしだと仰しゃる。そう仰しゃればわたくしたちの気持が楽になるとお考えかもしれません、そうお考えになっているのでしょう」

又左衛門は静かに頭をめぐらせて、湖のほうを見た。

「新原とわたくしのくらしは、おもてこそ平穏無事にすごしましたけれど」