Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
」
筒井は貞時と話しているときに何かはたらき甲斐のあるものを感じ、できるだけ毎日を愉しく美しく掃ききよめたいと、仕えの女の遊ばぬように心をくだいて、それぞれ整えるものを整え、纏めるものをきちんと纏めていた。貞時はあまりに筒井が頭をつかいすぎはしないか、暇もなくはたらいては手を傷めるようなことがないかと、それが気懸りだった。
「筒井殿、少しお憩みあれ。」
貞時はなにかを憂えるように、そう筒井を劬った。
「あとで憩ませていただきます。ただ今は筒井怠けていては皆さまの教えにはなりませぬ。」
まめまめしい彼女は手をやすめることがなかった。まだ若い貞時はときに可笑しいくらい少年のような細かい気づかいで、筒井が川べりに出て仕えの女らを指図しながらいるのを見て、茫々たる津の国にすさむ木枯を厭うていった。
「筒井殿、お顔が荒れはいたさぬか、かかる日に表の用足しはお止めになされい。」
「まあ、そのようなことを仰せになるものではございませぬ。」
木枯にいたんだ筒井の顔は、袿の裏絹をひるがえすように美しいくれないであった。美しすぎるのに貞時の心づかいがあったのだが、筒井は笑ってやはり止めなかった。