Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんちょうさらやしき
番町皿屋敷
岡本 綺堂
Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme
これ、播磨。このたびの水野殿の切腹、お身は何と思やるぞ。あれほどの激しい気性のお人でも、命はよくよく惜しいと見ゆる」
嘲るような口振りに、播磨は少しせいた。
「何、命が惜しいとは……」
「惜しければこそ日本堤から逃げたのではあるまいか。いや、そこを逃げただけならば、まだしも言訳は立つ。万一その場で斬り死して、兜きる首を町人どもに踏みにじらるるも無念と……。のう、お身が一緒に逃げたのもそうであろう。が、さてその後じゃ。町人どもに追いまくられ、朋輩を傷つけられ、家来を殺され、哀れ散々の不覚を取りながらのめのめと生きている水野殿の心が判らぬ。屋敷へ戻ってすぐに切腹……。それがまことの武士ではないか。それを今まで生きていて、揚句の果に上から切腹を申渡され、忌が応でも命を取らるる。ほんに浅ましい身の果じゃ」
こういわれると、播磨も行き詰まった。水野は命を惜しむ卑怯者ではない。自分とても同様である。しかも伯母の理窟も一応はもっともである。自分も忍んで卑怯の名を受けなければならないと覚悟して、彼は黙って俯向いていると、伯母はまた諄々といい聞かせた。
「水野殿は格別、伯母の心にかかるは甥の殿の身の上じゃ。