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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(一)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(一) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 246.214 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

で、勅の告文は、秋田城ノ介が代って拝受し、一行は、ひとまず定められた宿所に入った。しかし、執権ノ亭では、その間に、

「さて、朝廷の告文とあるが、いかなる仰せ降しやら?」

と、北条一統の群臣は、高時の簾を中心に居流れて、固唾をのんだ。

勅の文筥は、三方にのせ、高時の前におかれてある。

「城ノ介、読め」

高時のことばに、彼が、はっと進みかけると、二階堂ノ出羽ノ入道道蘊が、

「あいや、秋田、待て」

と、それをさえぎった。

二階堂殿もお頭が古い――と、彼は今時の御家人たちから、よく日ごろ嘲われていることも知っている。だが、この場合は、いわずにいられぬような気もちから、人々の粗略をこうたしなめたものだった。

「朝廷のおん文筥は、これを開かずに、勅使へ、お返しあって然るびょう思われる。……さまで皇室を辱めるにも及ぶまい」

聞くと、人々は色をなして。

「これや二階堂どのには、不思議なことを仰せある。告文を見ては、なぜ悪いか」

「読まずとも、綸旨はおよそ拝察に難くない」

「とはいえ、勅使をして、わざわざ関東へ降されたものを」

「なおさら、封のまま、お返し申すのが、礼ではないか。