Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだったかな」

「おかくしなすっていらっしゃるが、ひとつ、図星を中ててみましょうか」

「なんの」

「だんなの腹をさ」

「む、言ってみな」

「兵糧にはお困りなさるまいが、筑紫といっても、武具や打物には調達にもかぎりがある、また急場にもまにあわねえ。そこで住吉、堺の鍛冶、具足師から買上げて、ごっそり船へというお使いじゃねえんですか」

「どうしても、おれをまだ足利家の者としか見ないのだな」

「一朝一夕に、あなたが足利家から離れるなんて、得心はできません。そうなんでしょうだんな。それならそれで、おうちあけ下されば、鳶七だって、一ト肌でもふた肌でもぬいでみせますぜ」

「いや、ちがう」

「ちがいましたか」

「腹を割っていうが、じつは察しのとおり、足利の大殿のお使いでは来たのだが」

「それごらんなさい」

「しかし武器の調達などではない。極秘裡に、河内の楠木どのに会うため渡って来たわけだ」

「え。楠木さまへ」

「こう、打ちあけたからには、鳶七、口外するとゆるさんぞ」

「なんで。ですがだんな。ここらも今は河内守さまの御領内。油断はできませんぜ。いったい何の御用向きなんで」

「それは訊くな」

右馬介は、まったく、あらたまった容になって。