Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
「これはどうするか?」
であった。
「どうのこうのを言っているところでない。むかし頼朝公が石橋山に破れて、海上を小舟で安房へと、落ちのびられたことなどにくらべれば、まだわれらには生死を共に誓ッた八百の精鋭がここにある。何の怯みを」
左馬頭直義は、このとき火のごとき言を吐いた。人々もそれに打たれて二言となかった。
が、尊氏はあくまで慎重な唇をとじ、そして、一同の積極的な意気を篤と見たあとで、頼尚へきいていた。
「ここから宗像までは道のりどれほどあろうかな」
「途中、山路もありますが、まず四里と見たらよろしゅうございましょうか」
「ひとまず宗像ノ大宮司をたのんで行こう。先触れには、南遠江守、曾我ノ左衛門の両名駈けろ。……もし大宮司に二の足がみえたらすぐ戻って来い。攻め破って通るまで」
「かしこまりました」
と、曾我と南は、すぐ尊氏のむねをおびて、先に宗像へ馬を飛ばす。
つづいて、尊氏、直義以下の全員も、寺を出て、西の道へいそいだ。真夜なか、蔦ヶ岳をこえて、野坂、許斐へ出る。――と、大宮司宗像氏重の一族の者がすでにそこまで出迎えていた。
やがて、また、大宮司の館では、