Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
――戦場でいのちをおとした者の妻、子、その縁類、郎従にまで、いたわりと次の勇気を与えているのである。
こういうあいだにも。
むろん菊池攻略と、他の反尊氏勢力への追撃は、着々、すすめられていた。――多々羅にやぶれた菊池武敏は、そのご、四散した味方をよびあつめて、筑後の黒木城に拠り、戦力の再編成に他念もない。
尊氏は、令して、それへ。
仁木義長と上野頼兼の両大将をさしむけ、九州では松浦党をその先鋒として攻略に急がせた。すでに三月もなかばに入っていたのである。
菊池党のほか。
日向には、肝付兼重と、伊東祐広などの宮方が、
「なんで、尊氏ごときに、九州を思いのままにさせてなろうか」
と、あくまで頑強な抵抗をしめしていた。
尊氏はその方面の地理人情にあかるい島津道鑑を主力に、腹心の畠山国清を付けて、
「およそは、征伐が目的ではない。ただ邪げを打ち挫く分にて、たたかいの目標は足るぞ。――あとは高ノ師直よりの執事の令に従って去就いたせ」
と、いって発たせた。
師直の執事令を、とくに重く出先の大将たちへ尊氏がこう言いふくめていたのは、すでにもう尊氏の心のうちでは、九州の地を去って、再挙、ひがしへ軍を回すの用意が――ひそかに、急がれていたからだろう。