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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

初めて笠置に召されたとき、「恃みにおもうぞ」とまで仰せられた御信頼にたいして、いささかは、おむくいを成しえたかと思い、ふと胸のどこかでホロとしたものらしかった。

「為次」

と、みかどは、公卿へむかって、用意の物をと、うながされた。

二条為次と、中院ノ定平とが、階を降りて、正成のまえに賜酒の三方をすえ、また一ト振りの太刀を賜わった。

「河内、そちがまいるからには、たとえ足利の大軍いかほどあろうと、もはや安心いたしておるぞ。かならず尊氏兄弟を撃たではおくまい。とくに、義貞とは隔意なき作戦を打合せ、何事もよう談合の上いたすように」

「はっ」

正成は深く頭をさげて。

「お心づかい遊ばしますな。あくまで、新田殿のおさしずに従い、充分、御軍議をうけたまわっていたしまする」

「たのもしい。では、ただちに出陣いたすがよかろう」

「こころえてござりまする。――が、願わくば」

「何か?」

「なお一言、正成が存ずる所を、お聞き上げたまわるなら、思いのこすことはございません」

「申してみい。新田にたいして、そちも何か、肩を並べうる権威の望みでもあるか」

「ゆめ、さような僭上ではございません。