Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
すでに御辺は、王軍の大将として、ご内定もみておるのだ。――尊氏の奏状など、その一行の文も、おとりあげにはなっておらんが、それにせよ、ご潔白を立てる要はある」
その夜、義貞は灯をかきたてて、痛烈な反駁の一文を草し、あくる日ただちに上覧にいれた。
義貞の上奏文は、じつに激越な文辞であった。自分に対する尊氏の弾劾状を、完膚なきまでにたたいて「尊氏兄弟こそは、大逆無道な人非人である」ときめつけ、箇条書きに、尊氏の“八逆の罪”なるものをそれにあげている。
一つ 臣義貞が上野の旗上ゲは五月八日であり、尊氏が宮方へ返り忠して六波羅攻めに出たのは同月七日だった。相距ること八百余里。何で一日のまに連絡がとれよう。それを尊氏は、あたかも自分の令で新田を起たせたかのように誣奏している。これ罪の一つ。
一つ 尊氏みずからはじっさいには元弘の鎌倉攻略に参加しておらず、幼弱な千寿王に少数の兵をつけて、新田の陣借をしていただけのものにすぎない。しかるにそれも足利の功として誇っている。これ世上を欺瞞し上を偽る。罪の二。
一つ 尊氏の六波羅にあるや、みだりにみずから奉行を称え、上のみゆるしもなき御教書を発し、親王の卒をとらえて、これを斬刑するなど、身、司直にもあらざるに法を執り行う。