Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
同日から三日おくれの都立ちで、尾張黒田から東山道をとって下って行った別手の搦め手軍もあった。
それの大将には大智院ノ宮、弾正ノ尹宮、洞院ノ実世、二条ノ中将為冬など、公卿色がつよく、侍大将では、島津、江田、筑前の前司ら、二十余家の旗がみえる。兵力はざッと五、六千騎で、行く行く信濃の反軍を揉みつぶし、甲州を掃いて、鎌倉武蔵口へせまる作戦。
時をあわせ、奥州からは北畠顕家が一路南下の予定である。――この両翼を心にえがきながら、義貞は東海の征途にあった。――濃尾のあいだでは一矢も錦旗に抗ってくるものはなく、十一月の寒烈はかぶとの眉びさしに霰を打ち、弓手も凍るばかりだったが、彼の頬にはたえず自負の信念か微笑かがあった。
「尊氏は以前から戦にかけてはから下手よ。また直義は、たんなる血気の逸り者」――と。
このあいだにも、都の使いは、たびたび、義貞をはげましに下っていた。――朝廷では諸大寺の座主から天皇ご自身までも、連日にわたって戦勝祈願の大威徳法の修法をこらし、また再度の綸旨を諸国に発して、逆賊尊氏の必滅を天地にちかっておられるとのこと。まさに天下分け目の様相だった。