Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme
……いや出雲の守護の塩冶高貞もよばれて、島後へ渡ったと、話していました」
「ふうム」
童僕の無心な饒舌も、帝には天来のものに聞える。
この時局に、鎌倉の特使が渡島したとあれば、よも、ただの配所検分などではあるまい。
出雲の塩冶高貞が、そこへ会同したというのもおかしい。――さきに国分寺の柵守から解任された宮方の一人富士名ノ二郎義綱は、塩冶を説いて、宮方へ引き入れる自信があるとかいって、たしか出雲の簸川城へ塩冶をたずねて行ったはずである。
それが、不成功に終ったことは、さきに鰐淵寺の僧都の暗文書簡にもみえていた。――富士名が持ちかけていった意図とは逆に、彼はその場で、塩冶家の手に軟禁されてしまったものと、観られている。
「……と、すれば」
帝は思う。
それやこれ、島後の会合なるものは、いよいよここの配所へ、いやわが首へ、さいごの魔刃をくだそうとする打合せであろうことは、はや疑うまではない。
「金若」
「はい」
「妃小屋にも、侍者(忠顕・行房)たちの小屋にも、それぞれ番の者が付いているのか」
「ええ、付いています」
「隙はないか。そちが近づいて、すばやく、文を手わたすことはできないか」