Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme
には我から吹聴するのであった。
「ちょいと、於呂知さんえ」
「なあに」
「どうしたの、あんたも」
「だって」
と、彼女は三日月様みたいな顎を白々と撫でてみせて「いくらあたしでも、すこしはおみきが入らなくっちゃ……」
「だからおすすめしたらどう?」
「そう、勇を鼓してね」
於呂知は、銚子のつるを把って、左の指を持ち添え、わざと師直のそばへすり寄った。
「おれか」
「あい」
「それやお門違いだろ」
師直が軽く肩を突く。すると、こころえたものである。於呂知は大ゲサにしかも姿態よく道誉の方へ仆れてそのまま彼の膝に抱きついた。
妓たちはわあっと囃す。
にやと睥睨しながら道誉は、
「飲むぞ」
宣言して飲みだした。それまでは、飲むまいとしていた顔であったと分って、妓たちは凱歌にはしゃぐ。こうなれば婆娑羅の本領である。高ノ師直のごとき、眼の中のチリでもないと、道誉は観る。
「これや師直、まんまと、わしをだましたな。が、足利家の内にも、師直の如き婆娑羅がいたとは意外だった。この家の白龍は、そちの馴じみか」
「ご眼力」
と、師直も妓の中に埋もれながら横着な居ざんまいで、自若と答えた。
「白龍はてまえに首ッたけな情婦でおざる。