Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

一個道誉のおすすめなどで左右されるものではない」

「さようかも知れませぬが、しかし当今での御人物は、近江殿とたれも評しております。主人高氏なども日頃さように申し上げておりまする。されば高時公のお目からみても……」

師直はここでにゅっと笑ってみせた。毛ぶかい木像蟹が腹の裏がわをチラと覗かせたような白い歯だった。言外に相手の急所をくすぐッているのである。いつか白龍の家では、酒の上だがそれを口に出したこともある彼だ。――足利家の者も盲ではないという意味をである。――そして一体、道誉自体の二た心は誰がこれの目付となって高時へ教えてやるのかと、師直とすれば、ここで一言いってやりたいところだったに相違ない。

「…………」

ふたりの眼と眼が戦った。

道誉の方にも或る覚えと警戒があることは否めなかった。それなのに、高圧的な先手を取ッて釘を打つような言を弄してきたので、師直もまた主家のため一本打ち返しておいたものだろう。――だが陪臣師直は、決してそれ以上には頭を上げなかった。

「ま、どちらにいたせ、晴れの御出馬、大慶この上もございませぬ。さっそく立ち帰って、直義さまへ、仔細、おつたえ申しおきまする」