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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

どうもぜひなき次第にて」

全然、退屈な中でする話みたいなのである。道誉はぴらと頭をかすめられた。こいつはほんとの馬鹿なのではあるまいか。魯鈍な兆候は以前からのものではあったが、善意に、むしろ大器のように、こっちで勝手に解釈していたことかもわからぬ。と思ってみると、高氏のうすあばたまでが急に白々と馬鹿げて見えた。

「なにをいうかと思えば」

と、道誉は内心の興ざめを、露骨にして。

「――矢作の件を、ぜひなき次第とは、どういうご料簡だ、道誉にはさッぱり分らん。じつ申せば、今暁、そのことはここへも早馬で聞えておる。足利が鎌倉殿のお使いをみなごろしにした、あきらかに、足利むほん、と」

「されば、海道の途中で、はやそのような不用意をなさしめたのは、なんにせよ高氏のまずさでおざった。とはいえ、わが足利五千騎は、豹軍の気負い、血気、また破竹の勢い、押さえようもありませなんだ……。それは道誉どの、じつに恐ろしいほどだ。渇いている今の武士どもの欲望は。――おそらくは、天下のめぐまれぬ武士、みな同様かとおもわれる」

「では……では何か、御辺は鎌倉殿へのむほんをば、自分でもみとめるのか」