Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme

Aozora Bunko

………

幸子が庭を歩きながらこんな思案に耽っている時、台所の方で又電話のベルが鳴り出したようであったが、お春がテラスへ駈けて来て、

「電話でございます」

と、庭の方へ怒鳴った。

「―――丹生さんの奥さんからでございます」

幸子はぎょっとして台所へ走ったが、ふと心づいて電話を夫の書斎の方へ切り替えさせた。

「ああ幸子さん、―――今橋寺さんから電話があって、大変憤慨してらっしゃるようなんだけど、―――」

そう云う丹生夫人の声の調子にもただならぬものがあった。歯切れのよい東京弁の人なのが、興奮しているので一層テキパキした口調になって、何だか知れないが橋寺さんがひどく怒っている、僕はあんな因循姑息なお嬢さんは嫌いです、あなた方はあの人を花やかだなんて云われるけれども、何処に花やかなところがあるんです、僕はこの縁談はキッパリお断りしますから今直ぐ先方へその旨をお伝え下さいと云っている、何でそんなに怒っているのかよく分らないけれども、二人きりでゆっくり話し合って見ようと思って、今日の夕方から一緒に散歩に行くように誘って見た、すると最初に女中が出たので、雪子さんがいらしったら出て下さいと云うと、いますと云って引っこんだきり、どう云う訳かなかなか雪子さんが出て来ない、散々待たして漸う出たには出たけれども、御都合は如何ですと云っても、