Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
彼女にして見れば、長年自分たち姉妹の体を手がけている櫛田医師がああ云うのであるし、その人は嘗て今迄に見立て違いをしたことがないのであるから、一往その言葉を信じてよいような気はするものの、―――斎藤医師の意見などよりこの人の意見の方を重んじたいのは山々であるものの、―――今度に限って、今朝の病人のあの顔つきを見てからは、何か、骨肉の者だけにしか分らないような予覚が感じられてならないのであった。で、彼女はさしあたり、その予覚に従って本家の姉に知らせるだけは知らせて置く方がよいように思い、その厄介な手紙の筆を執るために戻って来たのでもあるが、それを書くにはあれ以後妙子を見放していたことから始めて、今度病気になったと云う通知を受けて引き取らなければならなくなったいきさつ迄を、多少は事柄に修飾を加えて述べる必要があるとすると、優に二三時間はかかる仕事なので、ちょっとは机に向う気になれず、ようよう重い腰を擡げて二階の部屋に閉じ籠ったのは昼の食事を済ましてからであった。彼女は姉妹じゅうで最も筆蹟がすぐれていて、仮名書きを得意にし、文才にも秀でているところから、手紙を書くのをそんなに億劫がらない方で、本家の姉のように下書きなどはせず、好んで巻紙へ毛筆で、肉のたっぷりした大きい文字で打っ付け書きにするのであるが、今日はいつも