Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
ない、今度こそ死ぬのだと云って、泣いておられる、先生は大丈夫のように云っておられるけれども、看護婦さんは心臓が保たないかも知れないと云っておられるし、しろうと眼にも可なり危険な状態のように見受けられるので、電話を懸けてはならない約束であったけれどもお懸けした、と云うのであった。幸子は、お春の話だけでは様子がはっきりしないけれども、独逸製の陣痛促進剤が得られないために産婦が弱っているのであるなら、何とでもして手に入れる道はあるであろうし、大概の産婦人科病院には、特別の患者のために多少の品が秘蔵されている筈なので、自分が行って院長に巧く泣き付けば出させることが出来そうに思えたのであったが、傍から雪子も、もう此処まで来て何も世間へ気がねすることはないではないか、と云い、頻りに見舞いに行くようにすすめるのであった。やがて貞之助も起きて来たが、これも雪子と同意見で、僕は三好に、こいさんの体とお腹の児は当方が責任を以て預かると云った手前がある、だからそう云う事情を聞いては捨てて置く訳に行かない、と云い、早速幸子を行かせるようにしたばかりでなく、三好にも通知して、直ぐ病院へ行って貰うような処置を取った。