Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たいない

胎内

三好 十郎

Lesen Sie 胎内 (たいない) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.766 Zeichen · 136 Bildschirme

Aozora Bunko

村子 (男の去った方を見送って、しばらくジッとしていたが)……ふふ。(花岡から渡されたシガレットを口にくわえて、白くふかしながら、そのへんを見まわしていたが、やがて腕にかけていたコートをバラリと開いて地面にしく。その上に横すわりに坐って、しばらく入口の方向へ耳をすましている。なんの物音もしない。……口にくわえていたシガレットを右手指に取って、その赤い火をジッと見ている。その目が闇のために誇張されて、濡れたように大きく見える。……やがてわれに返って、膝のわきのハンド・バッグを開き、なかをかきさがして、なにか小さいものを取り出し、スカートのスソをめくり、深く穿いたストッキングを、スーッとめくりおろす。一瞬、脚がなま白く光り、しかしすぐに闇の中にボケてしまう。……その時、入口の方からドロドロドロ、ドシンとにぶく重い音がしてくる。村子は、ヒョイとそちらを見る。しばらく耳をすましていてから、コロリと、コートの上に横になる。そこへ、また、入口の方からドシン、ドシンと二つばかり重い音と、更にギーイ・ギーイ・ガツン・ガツンという音。そのあとで、土や小岩のくずれるような音がドロドロと壕全体にこもってきこえる。