Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たいない

胎内

三好 十郎

Lesen Sie 胎内 (たいない) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.766 Zeichen · 136 Bildschirme

Aozora Bunko

花岡 ……(恐怖が、その顔を土気色にしている。全身が細かくふるえるのを、かろうじておさえつけている。ただ口にくわえたシガレットだけが、闇の中で白くヒク、ヒク、ヒクと動いている)

佐山 ……(村子の叫び声で、水のフチでかま首をもちあげて、二人の方を振り返って見ている)

村子 ワ、ワ、ワ……(叫んだあと、腰が抜けたようにグニャリと坐りこみ、低い声を出しながら、前こごみになって、コートの上のハンド・バッグやスーツ・ケースなどの自分の持ち物を、ガタガタとふるえていうことをきかない両手で自分の胸の下にさらいこむ)

花岡 む、む――(村子といおうとするのが、歯がガチガチ鳴って、いえない。いきなり女の肩をつかむ)む、む、――お、お、おちついて――こ、こ、こ!

村子 (その花岡の手に、むしゃぶりついて)た、た、たすけて! た、たすけて、ちょうだい! ヒ! たすけて!

花岡 だ、だ、だから――も、もっと、おち、おちついて――む、むら――(村子の肩を抱く。村子をおちつかせるというためよりも、腹の底からわきあがって来る自分の恐怖をおさえつけるためのようである。……抱き合った二人のからだが、まるでオコリにつかれたようにガタガタふるえている。