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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

そこまで来たのを幸い、原田君にお宅を紹介する積りで、丁度御門前へ差しかゝったところです」

「悪いことは出来ないものね」

「真正ですよ」

「それじゃ御無理を申上げても悪い」

と松浦さんは潜りを閉じて、

「何うです? 神楽坂までお送り致しましょうか?」

と到頭納得してくれた。

「お供致しましょう」

「山の手の縁日も馬鹿に出来ませんよ」

「はゝあ、縁日ですか?」

と新太郎君は、実はその縁日を新聞で調べてやって来たのだった。

途すがら、松浦さんは先頃の見舞のお礼を述べて、

「実は明日あたり改めてお宅へ伺う積りでした」

と言った。

「それでは却って恐れ入ります。もう悉皆およろしいんですか?」

「病症が病症ですから、以前通りってことは望まれませんが、お蔭さまで極く順調です。もう自分用が足ります。間もなく屋敷内ぐらい歩けましょう」

「それは結構ですな」

「一時は心配しましたよ」

「然うでしょうとも。病気は一番いけません」

「御大人はあれからもう悉皆御元気ですな。その後二度お目にかゝりました」

「はゝあ、然うでしたか?」

とこれは新太郎君には全く意外の消息だった。

「宜しく申上げて下さい。明日か明後日一寸伺いたいと思っていますが」