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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

お母さんも少しは考えて下さいますわ」

「多数決なら大森の叔父さんも引っ張り込んじゃ何うです?」

「いゝえ、渋谷の伯父さんが西川さんと御懇意で自分から思いついたようにして切り出すのよ。先方からお話を持ち込まれたことにしても宜いわ。その辺はその時何んなにでも狂言が書けますわ」

「成程、それは巧い。矢っ張りあなたは悪智恵がある」

「まあ、ひどい人!」

「兎に角、私は早速身許調査にかゝります」

と二人は相談の結果略段取が定った。西川の新太郎君は二夏に亙って秀子さんの御機嫌を取った丈けのことがあった。松浦さん夫婦にこの通り印象が好い。人格としては殆んど無鑑査という形だ。両親へ欠いた丈けの誠意をこゝの人達に尽したのである。苦心惨憺チョコレート、寛一君は遙々東京から持って来る度に、

「おい、皆唯食われちまうんじゃないかい?」

と危んだが、決して然うでなかった。尚お父さん自身の出馬が利いている。しかしその翌日大松浦さんが脳溢血を起したので、一家のものは急遽逗子を引揚げたきり、差当り縁談どころの沙汰でなかった。世の中は思うように行かない。物事は兎角食い違う。新太郎君は当分待たされる。