Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「イヨ/\お別れです」

「厭なことばかり言うもんじゃありませんよ。好い気になって」

と母親は怒ってしまった。

「そこが神経衰弱ですよ。皆病気が言わせるんです」

「そんなに心細いなら、誰かつけてやりましょうか? 私がついて行って上げましょうか?」

「いえ/\、それには及びません。大丈夫ですよ」

と新太郎君は慌てた。監督者につかれたんじゃ些っとも保養にならない。

「それは然うとお父さんから月給を戴いて?」

「六七八と三月分頂戴しました。これからは万事店員並みで、自分の養生も自分の月給でするんだそうです」

「それは仕方がないわ。お店を休んで保養に行くんですもの」

「転地から帰って来ると夏中只で働かなければなりません」

「その時は前借りをして、チビ/\済し崩しにすれば宜いのよ」

「お母さんまで現金ですね。まるで手の平を返したようですよ」

「何故さ?」

「学校へ行っている間は大切にして置いて、卒業すれば直ぐに虐待するんですもの」

「虐待なことがあるもんですか。皆お前の身の為めよ」

「宜いです。自費で海岸へ行って自費で養生をして来ます」

「そんなに恩に着せることはないわ」

「種々とお世話になりました」