Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
「改まってお礼を言うこともないわ。親子の間ですもの」
「親子の間に月給制度があるんですね?」
「七八月が心配になるなら、私からお父さんに話して何うにでもして上げますよ」
「然うして戴かないと励みがありません」
「機嫌好く行ってお出なさい。変なことばかり言われると私も気になりますよ。お金は三月分あれば沢山でしょう?」
「大抵間に合う積りですが、お母さん、思召はございませんか?」
「まあ、厭な子だねえ。先刻からお別れだの何だのって妙に心細がらせると思っていたら、私からも取る積りだったの?」
とお母さんは合点が行くと共に安心して、早速三十円出してくれた。
翌朝新太郎君は寛一君と清吉に送られて新橋から立った。その折寛一君は、
「少し手廻しが早過ぎるようだぜ」
と言って笑った。
「何だい?」
「二度言うと風邪を引く」
「何だよ。もう汽車が出る」
「斯う乗り込んでしまえば憤っても構わない」
「足許を見るなよ」
「君は去年の松浦さんが忘れられないんだろう?」
「馬鹿を言え」
「今から行って待っているんだろう?」
「馬鹿あ言え。こん畜生!」
「土曜の晩に行くよ。さよなら」
「さよなら。待っている。