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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちのもじ

血の文字

黒岩 涙香

Lesen Sie 血の文字 (ちのもじ) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.021 Zeichen · 87 Bildschirme

Aozora Bunko

倉子なるに此問には少し困りし如く忽ち顔に紅を添え殊に其眼まで迷い出せり、之れ罪の有る証跡と見る可きや否、暫くして亦も涙の声と為り「余り恐ろしい疑いを受けた為め気が転倒したのかと私しは思いますが目「いや其様な筈は有りません縦い一時は気が転倒したにもせよ夫は少し経てば治ります、藻西太郎は一夜眠た今朝に成ても矢張り自分が犯したと言張ッて居ますから」此言葉にて察すれば目科は今朝余の室を叩く前に既に再び牢屋に行き藻西太郎に逢来りしものと見ゆ、何しろ此言葉には充分の力ありて倉子の心を打砕きし者とも云う可く、他れ面色を灰の如くにし「何うしたら好う御坐いましょう所天は本統に気が違ッて仕舞いました」と絶叫せり、あゝ藻西太郎の白状は果して気の狂いたる為なるか余は爾と思い得ず、思い得ぬのみにあらで余は益々倉子の口と其心と同からぬを疑い、他れが悲みも他れが涙も他れが失望の絶叫も総て最巧なる狂言には非ざるや、藻西太郎の異様なる振舞も幾何か倉子の為めに由れるには非ざるや、倉子自ら真実の罪人を知れるには非ざるやと余は益々疑いて益々惑えり。

目科は如何に思えるや知ざれど彼れ嚊煙草のお蔭にて何の色をも現さず、徐々と倉子を慰めし末「いえ此事件は余り何も彼も分ら無さ過るから詰り方々へ疑いが掛る