Japanische Klassiker mit Furigana
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ひょうしゃくかんにんき
評釈勘忍記
山本 周五郎
Lesen Sie 評釈勘忍記 (ひょうしゃくかんにんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.889 Zeichen · 36 Bildschirme
「――あいつあふざけた糸瓜ですよ」千蔵はぐいと唇をへし曲げた、「晩飯を食わせるから来いというんでいったんです、ふところ都合も余りよくはねえだろうと思ってこっちは頑てきに角樽を持たせていったくらいなんです、ところがあの蒟蒻玉は」
「ちょっと待て千蔵、――おまえ酔っているのか」
「いいえとんでもない素面ですよ」こちらは証拠を見せるために顔を前方へつきだした、それから景気よく話を続けた、「ところがあの蒟蒻玉は床間に木偶を飾っているんです、然もそれが女の木偶なんです、私はむらむらときたけれどもいちおう穏やかにそいつを取って庭へ抛りだしました」
「床間の物を庭へ抛りだすのが穏やかなのか」
「だってまだ殴りもしないし喧嘩も吹っかけた訳じゃないんですから、ぽっと出の田舎者だと思うから柔らかく出たんです、それでわかる訳なのにあの頓痴気はなんとかいう名工の作だとか、やがて御老職にも成ることだから少しはこんな趣味もどうだとか、詰らない念仏を並べたてるんです、世の中に理屈と念仏と海鼠っくらい厭な物はありあしません、我慢したんですけれどもあんまり舐めたことを云うからつい、――なにしたんですよ、お蔭で酒を一升棒に振っちまいました」