Japanische Klassiker mit Furigana
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ひょうしゃくかんにんき
評釈勘忍記
山本 周五郎
Lesen Sie 評釈勘忍記 (ひょうしゃくかんにんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.889 Zeichen · 36 Bildschirme
八
ああやんぬる哉、遂に泰平は幕を下ろしたのである。
八
新しい幕は明くる朝の城の大手から始まる。登城して来た彼は大手先で葉山津太郎に会った。このあいだの伴れだろう、なにか高声に話しながら三人で歩いてゆく、それが槍組の葉山に相違ないと見るや、千蔵はぐんぐん追いついてゆき、いきなり後ろから力任せに躰当りを呉れた。ふいを食って相手はつんのめった、否つんのめった許りではないみごとに顔で地面に立った。
「ぶれい者」こう叫んだのは千蔵である、「こんな広い処で人に突当るとは遺恨でもあるのか、なに者だ」
「――――」
葉山津太郎は口から石ころを吐出しながら起きた、「な、なん、な」
「なにがなんだ、はっきり、――やあ、おまえさんはこのあいだの先生だな」彼はにやりとした、「なるほど、あのときの鞘当ての遺恨か、読めた、読めたとなったら問答はない、明朝六時に的場の森で会おうじゃないか、そこで話をつけよう、約束したぞ」
云うだけ云うと後をも見ずに歩きだした。本丸をまわってゆくとき第二の獲物があった。名は知らないがよく聞えよがしに「革袋革袋」と云った奴である、こいつはずんぐりむっくり小男なので、追い越しながら、「子供がこんな処へはいって来ちゃいけない」