Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひょうしゃくかんにんき
評釈勘忍記
山本 周五郎
Lesen Sie 評釈勘忍記 (ひょうしゃくかんにんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.889 Zeichen · 36 Bildschirme
七
低頭して「申し訳がない」と謝った。
「おれは槍組の葉山津太郎という者だ」相手はこちらをこう上からねめおろした、「心得のために聞いて置こう、詰所はいずれで姓名はなんというか」
そして千蔵が名乗ると、相手はほうと眼を丸くし、態とらしくじろじろ眺めながら、すると本当なんですなと云った、「貴方の勘忍袋が牛の革で出来ているというのは、まさかと思ってたんだが本当なんですなあれは」
そして三人でげらげら笑いながらたち去った。「勘忍の革袋か」と高声に嘲りながら、――幸いにして当の勘忍袋はたいして暴れもせず、ただ腋の下へ冷たい汗が出ただけだった、然し勘忍袋が牛の革で出来ているという言葉がいつまでも耳について離れず、食もたれでもしたように胸が重いので宵のうちから蒲団を被って寝てしまった、「勘忍の革袋か、――だがいいじゃないか、これでおれの勘忍強さも正札が付いた訳だ」こう思って満足し、月なんか勝手にしろと嘯いた。
七
革袋には正札が付いた。こうなれば千人力である、観月の招待を取消した宇野家からは、間もなく婚礼延期の通告が来た、「些か得心なり難きことあって」のことだという、人にはそれぞれ事情があるものだ、宜しい、彼は承知の旨を答えた。