Japanische Klassiker mit Furigana
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ひょうしゃくかんにんき
評釈勘忍記
山本 周五郎
Lesen Sie 評釈勘忍記 (ひょうしゃくかんにんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.889 Zeichen · 36 Bildschirme
と唱えたし、猿山は眼をつぶって両手で空気をひっ掻きまわした。「茶は焚火の間で飲め」千蔵はこう呶鳴った。そして二人がいまそこを通ったのがかまいたちではなく、組がしらの革袋だと知って憤然としたとき、「よしわかったなにも云うな」と先手を打って叫んだ、「話は的場の森でつけよう、明日の朝六時にやって来い、待っているから忘れるなよ」有賀は四郎次の顔を見、猿山は子之八の顔を見た。そしてぶるっと身震いをした後もっとよくお互いを眺めた。その時もう千蔵は次の獲物を掴んでいた、本来なら彼の席であるべき場所に、須井栄之助が坐って組下の者になにか云っている。彼はその面前へいって立ったまま相手を見下ろした。栄之助は顔をあげてこっちを見た。千蔵はそれをじっと見下ろしていたが、「――まずい面だ」こう云ってその廻りをぶらぶら歩きだした。
「なにか仰しゃいましたか」
「おれかい、ああ仰しゃったね、聞えたかい」振向きもしないでこう云うと、栄之助はさっと蒼くなった。
「聞えました。まずい面だというのがはっきり聞えました」
「それはめでたいね、耳だけはまあ人並の証拠だ」
「それは正気で云うんですか、それとも寝言ですか」