Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
お月様の唄
一
お月様の中で、
尾のない鳥が、
金の輪をくうわえて、
お、お、落ちますよ、
お、お、あぶないよ。
むかしむかし、まだ森の中には小さな、可愛い森の精達が大勢いました頃のこと、ある国に一人の王子がいられました。王様の一人子でありましたから、大事に育てられていました。王子はごくやさしい、心の美しい方でした。
王子は小さい時から、どういうものか月を見るのが非常に好きでした。よくお城の櫓に上ったり、広いお庭に出たりして、夜遅くまで月を見ていられました。月を見ていると、亡くなられたお母様を見るような気がしました。母の女王は、三歳の時に亡くなられたので、王子はその顔も覚えていられませんでしたが、どう考えてもお母様は月に昇ってゆかれたように思われてなりませんでした。それで、じっと月を見ては亡くなられたお母様のことを考えていられました。
王子が八歳になられた時、ある晩やはりいつものように庭に出て、一人で月を見ていられますと、どこからともなく一人の小さな、頭に矢車草の花をつけた一尺ばかりの人間が出て来ました。そして王子の前にひょっこりと頭を下げました。
王子はびっくりされました。