Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
天狗の鼻
一
むかし、ある所に大きな村がありました。北に高い山がそびえ、南に肥沃な平野がひかえ、一年中暖かく日が当って、五穀がよく実り、どの家も富み栄えて、人々は平和に楽しく暮らしていました。
ところがこの村に、不思議なことが起こってきました。夕方たんぼから帰ってきて、いろんなごちそうをこしらえて、一家揃って楽しい食事をしようとしますと、どこからかふいにひどい風が吹いて来て、ランプやろうそくの火を消してしまいます。急に家の中がまっ暗になったのに、皆びっくりして、大騒ぎをしてからあかりをつけますと、まあどうでしょう、今までお膳の上に並んでいたごちそうが、一つ残らずなくなってるではありませんか。――そういうことが、毎晩どの家かに必ず起こってくるのです。
村の人達は大変困りました。その頃はまだ、電気灯やガス灯はなくて、ランプやろうそくをつけていましたから、どんなにしても、ふいに吹いてくる風のために消されてしまいました。雨戸をすっかり閉めきっても、どこからかその風が吹いてくるので、どうにも仕方がありませんでした。しまいには、あかりが消えたらすぐにまたつける用意をしておきましたが、そのちょっと暗くなった間に、大事なごちそうはすっかりなくなってしまいました。