Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
銀の笛と金の毛皮
一
むかし、あるところに、エキモスという羊飼いの少年がいました。父も母もないみなし児で、毎日、羊のむれの番をしてくらしていました。
青々とした野原に、羊たちはたのしくあそんでいます。野の花のあいだに、うつくしい蝶がとびまわっています。木立のなかや空たかくに、いろんな鳥がさえずっています。日がうららかにてっています。
エキモスは草の上にねころんで、歌をうたいました。口笛をふきました。草の葉でいろいろな笛をこしらえました。葦の茎でも笛をこしらえました。
――自分も、あの小鳥のようにうたいたい。けれども、いくらうたっても、笛をふいても、小鳥にはおよびませんでした。
そのうちに、ある日エキモスは、葦のしげみのなかに、まっ白な葦を一本みつけました。太くてまっすぐにのびて、白く銀のように光っています。エキモスはめずらしさに、しばらくぼんやりながめていましたが、ふと、かんがえました。
――あれで、笛をこしらえたら……。
すぐに、ナイフで、その葦をきりとって、笛をこしらえました。そしてふいてみました。が、少しもなりません。葦笛はただ銀のようにひかっているだけでした。